wish

私がFP(ファイナンシャルプランナー)になった理由

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

{41}第5章 被害者同盟 (5-1.無心)

私は父との二人暮らしを【被害者同盟】と呼んで、協力し合いながら頑張っていこうと考えていました。 父に負担をかけないよう家計は当然のことながら、弁当を含めた食事作りが新たに私の役目となりました。 家庭科は得意でしたし、皮肉なことに母の面倒がな…

{40}第5章 被害者同盟 (4-2.後始末)

母の借金返済も忘れてはなりません。 私はまず、現状把握から始めました。 母からの話と、手元にある請求書を掻き集めました。銀行口座引き落としのクレジットもありましたが、ほとんどが地元の商店への支払いでした。 また、母のつまらないプライドの高さが…

{39}第5章 被害者同盟 (4-1.後始末)

離婚したと言っても、世間体を気にする母の要望で、母の姓はそのままとし、母方の叔父(弟K)と祖母以外の親戚には離婚を知らせないというものでした。 また、別居できるお金も無かったので、借りているアパートの大家さんに頼んで、空いている隣の部屋に母…

{38}第5章 被害者同盟 (3-2.離婚)

離婚届を突き付けられて母は心底驚いていました。 『嫌や』 『片親では、いつこが結婚できへん』と言ったものの、 『あんたみたいな親がいる方がよっぽど結婚できへんし、 そんなこと言う相手なら、結婚せえへん方が増しや』と私が言い、 父から『いつでも、…

{37}第5章 被害者同盟 (3-1.離婚)

翌日、私は大忙しでした。 職場に近い役所で離婚届の用紙を貰い、簡単な説明を受けたのは良いのですが、その手続きの煩雑さに私は絶句しました。 ドラマでは離婚届を一枚書いたら終わりですが、 実際は本籍地以外の提出の場合、離婚届は二部必要で、戸籍謄本…

{36}第5章 被害者同盟 (2.父娘会議)

家に帰った母に対して父の怒りは収まらず『出て行け』と言ったので、私は近くに住む母の異母弟である叔父に電話で事情を簡単に説明し、母を泊めてくれるよう頼みました。 叔父の家に、母を預けて帰って来た私を父が寝ずに待っていました。 『お父ちゃん、お…

{35}第5章 被害者同盟 (1.スナック)

その夜も、9時を過ぎて帰宅した私を両親が待ち構えていました。 嫌な予感がしました。 父が不機嫌極まりないといった感じで、『今から、これ(母)と一緒に給料を返して貰って来てくれ』と言いました。 父の余りに突然の言い様に私は、『どういうことか』と…

{34}コーヒーブレイク(第4章 転機)

80年代はエンタメにハマっていた! MTVの影響もあって、 マイケルジャクソン ホイットニーヒューストン スティビーワンダー ビリージョエル TOTO デュランデュラン カルチャークラブ etc・・・ 月1回はコンサートに行き、音楽に酔いしれる日々、 同時に英語…

{33}第4章 転機 (4-3.第一の決心)

私は行動を起こしました。 母が病院で貰ってきたばかりの二週間分の精神安定剤を全て飲み眠りに着きました。 この時の私は、これで死ねると本気で思っていたのでしょうか。 そんなことも考えられなくなっていました。 翌朝、目覚めたことに酷く失望したこと…

{32}第4章 転機 (4-2.第一の決心)

普段、何も言わない父の豹変振りに、私も母も震え上がったことをはっきり覚えています。 その頃、夜遅くに私が帰って来ると、食べっぱなしのままの食卓が待っていました。 それらを片付けることが私の役目でしたが、茶碗に付いた食べ残しのご飯は固まってい…

{31}第4章 転機 (4-1.第一の決心)

私は、できる限り家にいる時間を短くすることに努めていました。 仕事帰りは、毎日のように同僚とお茶をして愚痴を言い合う。 カルチャーセンターで生け花や太極拳を習う。パソコン教室にも通っていました。 他には一人で映画を観て、外国人アーティストのコ…

{30}第4章 転機 (3-2.娘であり母)

次に就職した大手書店の営業所では、6・5時間勤務の嘱託社員でした。 母が脳梗塞になったことで、家を出ることを諦めた私には、書店の月々の給料は少ないものの年二回のボーナスがあり、アフター5もといアフター3・5では自由な時間を心ゆくまで満喫する…

{29}第4章 転機 (3-1.娘であり母)

母は退院後、定期的に診察を受け、職場にも復帰していました。 ただ、現実を受け入れられない性格ゆえに、文字を書くことを拒否していました。 また以前にも増して、浪費を繰り返していました。 母は、『あんたが、何も欲しがらないから自分の物を買っている…

{28}第4章 転機 (2.同情)

思いがけず早々に、母が入院できたことに私は心から感謝しました。 入院してすぐに持続点滴がされ、その後一週間ほどで退院できました。 母の入院中には、親戚が見舞いにきてくれましたが、 父は『仕事もせず、病院にいることが恥ずかしい』と言って、 見舞…

{27}第4章 転機 (1-2.挫折)

専門学校は、私に新たな友人との出会い、様々な資格試験の合格を目指しチャレンジする日々を与えてくれました。 私は学費や通学費、小遣いの足しにと歯科医院でアルバイトも始めていました。 ただ残念なことに、母が私のアルバイト代を当てにして給料日に催…

{26}第4章 転機 (1-1.挫折)

2回目のカウンセリングは、最初のカウンセリングから約一カ月後だった。 前回と同じ位置に座った私に、梅木先生は 「あれから何か変ったことがありましたか?」と質問した。 私は「体重が3キロほど減りました。」と答え、 カウンセリングが始まった。 ----…

{25}コーヒーブレイク (第3章 両親)

「子供にお金の話はしない」 「子供にお金の心配または苦労はさせたくない」 と世の多くの親は言う。 そして、仮に親が 「お金が無い」と言っても (いざとなったら、親が何とかしてくれる) と子供はどこかで思っている。 だが、どちらも我が家には当てはま…

{24}第3章 両親 (4-2.土下座)

祖父の葬儀が終わった日の夜、自宅で私と母は向き合って座っていました。 すると、おもむろに母が正座をしたかと思うと両手を着いて、『今日はありがとうございました。これからは、お金で迷惑をかけません。』 と言って、土下座をしたのです。 母の予期せぬ…

{23}第3章 両親 (4-1.土下座)

私が十九歳の時、母の父親、つまり私の祖父が亡くなりました。 母一人が実家に帰っていて、家には私と父が残っていました。 祖父の葬儀にあたり、香典を用意しなければなりませんが、当然のことながら手元にお金はありません。どうしたものかと相談ばかりし…

{22}第3章 両親 (3-2.ペット)

私は弟のこともあり、(自分は元気でいられるだけ、恵まれている)と無意識に心のどこかで思っていただけでなく、頼りない親を持つことで自分が惨めにならないよう、他人から後ろ指をさされないよう頑張っていました。 その一つが、悩みがあっても、誰かに相…

{21}第3章 両親 (3-1.ペット)

どうしようもない母でしたが、子供である私はそれでもまだ、母を心底嫌いにはなれませんでした。 機嫌の良い時の母とは、友達のように喫茶店でお茶をしたり、浪費予防のためとはいえ、買い物に付き合ったりと楽しい時間を過ごすこともありました。テレビのド…

{20}第3章 両親 (2-2.父という人)

そんな私の唯一の楽しみと言えば、家族で月に一度、給料日に近くの洋食店で外食することでした。 給料が入ったことで、しばらくはお金の心配をしなくても良いという思いと、ハンバーグが食べられるという嬉しさでその時はウキウキでした。 また、その日に限…

{19}第3章 両親 (2-1.父という人)

大工である父は、仕事熱心で真面目な人でした。 夜は八時には布団に入り、朝は目覚まし無しで、三時頃には必ず起きて、家族全員の洗濯を始めます。作業服の汚れ落ちもあってか、湯沸かし器からお湯を汲んで洗っていました。 分別洗濯などは論外で、何もかも…

{18}第3章 両親 (1-2.母という人)

他にも、母には人の好意を金額の多寡で判断するところがあり嫌いでした。 私に『安物を貰うくらいなら貰わないほうがましだ』と良く言っていたものです。 母の日か何かで『プレゼントをくれるなら指輪がいい』と言われた私は、母が欲しがっていた七宝焼きの…

{17}第3章 両親(1-1.母という人)

子供の頃の母は体が弱かったそうです。鳥、蝶々など飛ぶものを極端に怖がり、私の背後に隠れてはやり過ごしていました。 たぶんそれは、兼業農家だった生家の土間での食事中に、燕のひなが飛んでいたのがトラウマとなっていたと思われます。 また、喜怒哀楽…

{16}コーヒーブレイク (第2章)

不快に思ったり、傷ついた人がいたならごめんなさい。 「ネグレクト」 「パワハラ(パワーハラスメント)」 「セクハラ(セクシャルハラスメント)」 この頃の私は聞いたことがなかった。 「ワンオペ育児」 「親ガチャ」 「毒親」 まだ、無い言葉。 母からよ…

{15}第2章 いっちゃん(4-4.期待)

学校では良い友達に出会うことができ、現在でも交流が続いています。しかし、弟のこともあり、友達と楽しく過ごしていても、心のどこかで私は(皆に嘘を付いているんだ)という思いが常にありました。 また、できることは何でも自分でさっさと解決するといっ…

{14}第2章 いっちゃん(4-3.期待)

中学二年の時、念願のテニススクールに一年間通わせて貰えました。 その日は、レッスンに間に合わず、後で母が来てくれると言うので、初めての場所にひとり不慣れな電車で行くことになり、その途中で痴漢行為をされたのです。 テニスのレッスンが終わり着替…

{13}第2章 いっちゃん(4-2.期待)

小学校六年生になったばかりの私は、大好きな少女マンガの影響もあって、テニスをやってみたくて仕方がありませんでした。母が某有名私立女子中学校に行けばテニスができるというので、すでに決められていた進学塾に通うことになりました。 ただ一人特進クラ…

{12}第2章 いっちゃん(4-1.期待)

母は世間体を気にする人でした。 俗に言う”見栄っ張り”です。 他人から詮索されるのが嫌ということもあったと思いますが、私は他人から兄弟について訊かれたら『自分は一人っ子だ』と答えるように言い聞かされて育ちました。そして、弟のことは(何も恥ずか…