{25}コーヒーブレイク (第3章 両親)
「子供にお金の話はしない」
「子供にお金の心配または苦労はさせたくない」
と世の多くの親は言う。
そして、仮に親が
「お金が無い」と言っても
(いざとなったら、親が何とかしてくれる)
と子供はどこかで思っている。
だが、どちらも我が家には当てはまらなかった。
鍵っ子だったこともあり、私は早くからお小遣いを貰っていた。
それは年の割には多かったと思う。
リカちゃん人形・リカちゃんハウス・マンガ・文房具・おやつetc・・・
欲しいもの、必要なものはすべて小遣いで買い、親にその都度頼む必要がなくなっていた。
このようにしてお金を貯める、計画的に使うことを自然に覚えられた。
買ったものに愛着を持ち、大切にできるようにもなっていた。
その反面、がめつかった。
拾ったお金は当然のことながら交番に届けてはいたが、保管期間(?)が過ぎたときには必ずそのお金を受け取りに行った。
信用金庫の通帳残高を確認することが何よりの喜びであり、大好きだった。
こうして無意識のうちに金銭感覚が身に着いて行った。
同時に独自の価値観も・・・
先日、誕生日を迎えた。
何時の頃からか誕生日を素直に喜べなくなっていた。
誕生日は自分を産んでくれた母親に感謝する日だと聞いたから・・・
「お母さん、ありがとう!
あなたは私にとって唯一無二の反面教師だ」