{135}最終章 おひとりさま(4-3.母 逝く)
特養(特別養護老人ホーム)に入所した母がコロナに感染したと義理の叔母から連絡があった。
後見人である行政書士との連絡先が叔父であり、そこから私に伝えられることが本当に迷惑をかけて申し訳なく思う反面助かった。
なぜなら、直接聞くより義理の叔母からの方が私は動揺や焦りを隠す必要もなく正直な思いを話し、相談したうで判断を下すことができた。
行政書士の話は
『入院ができるまで特養で経過を見守る』
『今後、状況が変わり次第また連絡する』
ということだった。
当時、(高齢者がコロナに感染したらほぼ助からない)と思っていた私はその時が近いと覚悟したのだった。
-----------------------------------------
それからしばらくして、義理の叔母が
『母が入院できた』
『病院は県内だが遠方である』
と知らせてくれた。
入院先がなく自宅療養者が多い時にもかかわらず、母が入院できたことが本当に有難かった。
-----------------------------------------
母はしぶとかった。
なんと、コロナから回復して特養に戻ったのだった。
行政書士から『かなり弱っているから、この先そう長くはないだろう』と言われたと義理の叔母が教えてくれた。
この知らせに私は言葉にならないほど複雑な心境だったことを覚えている。