{38}第5章 被害者同盟 (3-2.離婚)
離婚届を突き付けられて母は心底驚いていました。
『嫌や』
『片親では、いつこが結婚できへん』と言ったものの、
『あんたみたいな親がいる方がよっぽど結婚できへんし、
そんなこと言う相手なら、結婚せえへん方が増しや』と私が言い、
父から『いつでも、わしと別れて一人でやっていけると言ってたやろ』と言われ、
叔父からも『もう、勝手は出来へん』と諭され、
母は渋々署名、捺印したのでした。
その後、父も署名、捺印を終え、私と叔父が証人欄に署名、捺印して離婚届は完成しました。
それは呆気ないほど、簡単に終わりました。
帰り際に叔父が
『こんなことになっていたとは知らんかった。二人で働いているのに、いつ家を建てるんやろと思っていた』と私と父に言ったのでした。