wish

私がFP(ファイナンシャルプランナー)になった理由

{37}第5章 被害者同盟 (3-1.離婚)

 翌日、私は大忙しでした。


 職場に近い役所で離婚届の用紙を貰い、簡単な説明を受けたのは良いのですが、その手続きの煩雑さに私は絶句しました。


 ドラマでは離婚届を一枚書いたら終わりですが、

実際は本籍地以外の提出の場合、離婚届は二部必要で、戸籍謄本を添付しなければならないとのこと。

また戸籍謄本は本籍地の役所から取り寄せなければならず、手数料に郵便小為替も必要。

取り敢えず、本籍地の役所の住所を教えて貰い、離婚届の用紙二枚を持ち帰ったのでした。


 スナックに借金約九万円を支払った私は、

『今後は料理を頼みに来ることは二度とないので、今まで世話になった』というようなことを言って、慌てる主人を後目に店を出ました。


 帰宅すると母がいました。


『なんで、帰って来たん』
『かっこ悪くておられへん』
『お父さんに怒られても知らんで』


案の定、父に怒鳴られても、どこ吹く風の母。


このまま、昨夜のことは反故にされるのではないかと思っていた私に父は、


『離婚届、貰って来てくれたんか』
『うん。貰ってきた』
『K(昨夜母を泊めてくれた叔父)に電話して来て貰ってくれ』
『わかった』


 私は、叔父に昨夜母を泊めてくれた礼を伝えるとともに、離婚の話をしたのでした。


 そして、その週末、叔父は来てくれました。