{33}第4章 転機 (4-3.第一の決心)
私は行動を起こしました。
母が病院で貰ってきたばかりの二週間分の精神安定剤を全て飲み眠りに着きました。
この時の私は、これで死ねると本気で思っていたのでしょうか。
そんなことも考えられなくなっていました。
翌朝、目覚めたことに酷く失望したことと、頭がボーとして何かをする気力もなかった私は会社を休みました。
そして、その夜に手首を切ろうと決めたのです。
真夜中、洗濯用の小さな蛍光灯の下、カミソリを左手首に当てると、うっすらと血が滲んできました。
痛みはありませんでした。
同時に、私の目から涙が一滴零れ落ちました。
(ああ、私はまだ泣ける)
(このまま死んだら、自分が余りにも可哀想過ぎる)
(自分のために生きよう)と・・・。
それからは、一人暮らしをするためには、もう少し収入がなければ無理だと考え、書店勤務の後に働ける仕事を探し始めました。
そんな希望を持って活動していた矢先に、またしても事件が起こりました。