{40}第5章 被害者同盟 (4-2.後始末)
母の借金返済も忘れてはなりません。
私はまず、現状把握から始めました。
母からの話と、手元にある請求書を掻き集めました。銀行口座引き落としのクレジットもありましたが、ほとんどが地元の商店への支払いでした。
また、母のつまらないプライドの高さが幸いしてサラ金(消費者金融)には手を出していませんでした。
私は請求書を手に、商店を一件一件訪ねては事情を説明して『返済を待ってくれるよう』お願いすることと、『今後は母に売らないで欲しい』と頼んで回りました。
複数の洋品店、呉服店、化粧品店、雑貨店と、ほとんど全ての店が好意的な対応をしてくれたことが有り難かったです。
家賃の支払いも遅れていました。
大家さんに母の賃貸契約の保証人に『私がならないか』と言われ、断ったこともあり、家賃の滞納を念押しされたときは悔しくて給料が入った時、真っ先に支払ったことを覚えています。
そんな状況でも、クレジットの支払いは融通が利きませんでした。
母から
『あんた、支払いが遅れてるって、催促の電話が会社にかかって来て困ったやんか。ちゃんとしてや』と文句を言われる始末。
(誰の借金やねん)と本当に腹が立ちました。
当初こそ大変でしたが、後は計画的に返済が出来て行き、毎月赤ペンで返済表の消込をすることが喜びでした。
時代はバブル、二年で完済できました。
運も味方してくれていました。