{100}第9章 自分の人生(1-2.第三の決心)
私が退院したことを職場の同僚や同級生達が喜んで、私のために食事会を開き誘ってくれました。
書店時代の年長の同僚が職場復帰に際して
『どんなことがあっても休まずに出勤し続けないといけない』と言って
へたれの私を励ましていました。
ですから私なりに絶対無理はせず、人々の好意に感謝して誘いを受けていました。
ある日、翌日が休みとあって私は少し羽目を外して帰宅が遅くなってしまいました。
父が鬼の形相で待ち構えていました。
「何時やと思ってるんや!」
「明日、休みやから別にいいやん」
「いつもやないか!」
「皆がせっかく誘ってくれるのに断られへん」
「それに、ちゃんと自分でしてるから大丈夫やて」
「ええ加減にせえ!」
私は楽しかった気分を父に害されたこともあり、頭にきて、
「お父さん、私が入院している時に伯母さんとトモから『好きにさせてやって』と言われたんと違うん!」
「そんなん関係ない!」
「私のすることがそんなに気に入らんのやったら、出て行って一人で暮らす!」
こうして、私はやっと本音が言えたのでした。
「私が居らんほうが、お父さんかてイライラせんで済むやんか」
「出て行くなら、わしを殺してから出て行ってくれ!」
「・・・・・」
呆れ果てて言葉も出ないとは、このことです。
父が私を心配する余りの言い様とは到底思えませんでした。
やっぱり、父にとって私は【保険】であり、
自分の安心のためなら、なりふり構わずしがみつく様には
反吐が出るほどの嫌悪感しかありませんでした。