{89}第8章 病気(3-4.限界)
母方の伯父夫婦は何度も見舞いに来てくれました。
また嬉しいことに、義理の叔母は私のためにパジャマや花を差し入れるだけでなく、『手術の日も来る』と言ってくれました。
私は看護師の友達に
『手術の間、父と一緒に待っていて欲しい』とお願いをしていました。
ですので、伯母からのこの心遣いは本当に有り難く、心配事が無くなったと思ったのでした。
手術の日の朝、久々にシャワーを許された私は、全裸の自分を見て愕然としました。
鏡に映る姿は痩せ細っていて、例えるなら拒食症の事例写真のようでした。
嘔吐の日から二十日以上、ほぼ絶食だったの私の体重は十キロ以上減っていました。
(腸閉塞って究極のダイエットやなぁ)
どこまでも冷静な私でした。
伯母と友達は約束通り来て、父と一緒に手術が終わるまで待っていてくれました。
私は手術の朝、医師に
『先生、私の腹黒いものを全て切り取って綺麗にしてください!』
と冗談っぽく、自嘲気味に言ったのです。