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私がFP(ファイナンシャルプランナー)になった理由

{77}第8章 病気(1-1.我慢)

 五カ月後、私は再び梅木先生の元を訪ねた。


「どうしたのですか?」
痩せ細った私を見るなり、先生は開口一番に言った。


「予約があったので何事かと思っていたのですよ」
と、先生は心配そうに私に尋ねた。


「先生、実は私、大腸ガンの手術をしたんです」


「ええ!」
先生は絶句した後、


「なんていうことなの」

「こんなことがあるなんて・・・」


信じられないだけでなく、

私が気の毒でならないといった様子で先生は言った。


「先生、私辛くて堪らないんです」
そう言って、私は梅木先生に病気に至る経緯を話し始めたのであった。

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 前回のカウンセリングを終えてからも、体調不良は相変わらずだったのです。


 私は通院していたクリニックの医師に大腸カメラの検査をお願いしました。


 医師は『一年半前に異常がなかったこともあって検査の必要はない』と言いましたが、私は会社の検診で貧血があるとの結果が気になっていたこともあり、検査を強く希望したのでした。
 私はこのクリニックでずっと治療をしていたこともあり、医師を信頼していたのですが、何度か疑問に思うこともありました。


 それは、薬の副作用で生理が一年半ほど止まったことがあったからでした。


 私は(早期の閉経だろう)と思い、生理の煩わしさから解放されたと単純に考えていました。


 しかし、貧血の原因がわからないことから、念のため婦人科を受診しました。