{79}第8章 病気(1-3.我慢)
大腸カメラ検査を受けることを決めた私の状態は最悪でした。
それでも、私は検査のため準備を始めたのでした。
腸内洗浄のための溶液を飲み始めて数十分後、激しい嘔吐が続いたのです。
(このままでは脱水症状になる)と思った私は、クリニックがまだ開いていないこともあり、取りあえず家族で観てもらっている医院へふらふらになりながらも一人で向かったのです。
診察と点滴を受け数時間後に帰った私に、父が『クリニックから検査に来ないことを心配して連絡があった』と言いました。
私はクリニックの医師に状況を説明して、『もう検査は受けない』と言ったのでした。
それっきりクリニックには二度と行っていません。
嘔吐は収まりましたが、私は食欲も無く、そのままベッドに横になって体力の回復を待ったのでした。
しかしながら、翌日も食欲は戻らず、私は仕事を二、三日休むことを職場に連絡した後、点滴を受けるため父に付き添われながら、また医院に向かったのでした。
嘔吐から三日目の朝、私は腹部の苦しさから過呼吸を起こしました。
父に『救急車を呼んで欲しい』と言ったのですが、
父はオロオロするだけでここでも当てにありません。
私は最後の気力を振り絞って救急車を呼ぶための電話をしたのでした。
救急車を待つため玄関に座った瞬間、私は動けなくなりました。
呼吸が苦しいだけでなく、手足が痺れてしまったのでした。
(もう、駄目だ)と思った時、
救急隊員が来てくれたのです。