{72}第7章 迷い道(5-2.重圧の果て)
「あなたは自分の人生を生きていない」
先生の予想外の言葉だった。
私は驚いて
「えっ!」
「どういうことですか?」
なおも納得できない私は
「私はいろんなことを限られた選択肢の中でも、自分で選んでやって来ました!」
と反論した。
「高野さん。それは、あなたが本当に望んだことではなかったの」
更に、先生は
「あなたが本当にやりたいことをしない限り、良くならないわ」
それは、私にとって決定的な言葉であった。
「・・・・・」
私はショックの余り何も言えず、しばらくの間、ただ頭の中で先生の言葉を繰り返していた。
(自分の人生を生きていない?)
(私の本当にやりたいこと?)
(治らない!)