{111}第9章 自分の人生(3-4.気がかり)
ある日、役所から【お知らせ】が届いた。
内容は母が生活保護の申請をしていて扶養義務者に今後の扶養についての意思確認を求めるものだった。
母に関することは私にとっていつも驚きであり狼狽させられた。
文書では詳細がわからない。
私の都合も知ってもらいたいことから役所に出向いて現状を教えてもらうことにした。
『同じ団地に住む人が母を連れて生活保護の申請に来た』と言われた。
また、『生活保護より認知症の方が問題である』とも言われた。
以前、義理の叔母を通じて母が良く遊びに行っている母の従姉妹から
『フミエちゃんの様子がおかしい。認知症かもしれない』と訊かされていた。
私は叔母に
『母を説得して病院で診察してもらえないか』とお願いしていたが
叔母が言うには
『母が嫌だと言って言うことを聞かない。
年金を一度に使わないように通帳を預かって欲しいと自分から頼んでおきながら、
直ぐに返してくれと言われたうえ逆ギレされた。
もう、ほっとくしかない』
お手上げ状態のまま月日が過ぎていたのだった。