{95}第8章 病気(4-4.復活)
今後の治療は抗がん剤の服用をどうするかということになりました。
私の場合、転移は無くても再発リスクが高いので、
当然のことながら、父は『抗がん剤を飲むよう』私に強く言いました。
医師からは
『抗がん剤を飲んだからといって、必ずしも効果が期待できるものではない』と、
またもや身も蓋もない言い方をされました。
その上で、三種類の薬剤の作用の強さと服用回数の説明が行われ、
私は選択を迫られることになったのです。
私は抗がん剤の副作用を考えると極力飲みたくなかったのです。
しかし、薬さえ飲べば治ると思い込んでいる父に言ったところで、
私の考えを理解してもらえるとは到底思えないでいました。
私は正直なところ疲れ切っていました。
退院までの日々は、私を支え応援してくれる人達の気持に少しでも応えようと、
本当に必死で頑張っていたのです。
なぜなら、
(私が元気になることが皆への私からの感謝の気持ち)だと思ったからです。
昨日より今日、今日より明日と元気になっていかなければならないと思う反面、
もっともっとと追い立てられている気がしてなりませんでした。
そして、抗がん剤治療の選択が加わったのです。
私の中で、少しスピードを緩めたいと言う自分と、
まだまだ頑張れると言う自分がいました。
私は抗がん剤治療をすることを決め、職場復帰をしました。
退院から二週間たっていました。