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私がFP(ファイナンシャルプランナー)になった理由

{9}第2章 いっちゃん(2.鍵っ子・前)

 何時の頃からか、私は鍵を与えられ、いわゆる『鍵っ子』になっていました。

 小学校の授業が終わり、前田のおばあちゃん宅、児童館、校庭、友達の家と日に寄っていろいろな場所で過ごした後、母の帰宅まで一人留守番をしていました。

時には、母を迎えに職場まで行って一緒に帰ることもありました。

 年上の友達に連れられて行った児童館ではマンガが大好きになり、学校で習うよりも早くに、たくさんの漢字が読めるようになっていました。
 また、友達に誘われて始めた珠算のおかげで、余り苦労せずに九九も覚えられました。学校の宿題も友達の家で済ませていましたので、親に勉強を教えて貰ったことがありません。
 実際のところ、母に『これってどういうこと』と訊いても、『辞書で調べなさい』と幾度となく言われていた私は親を当てにすることを止めてしまっていました。


 親を当てに出来ないと言えば、こんなことがありました。
 一つ年上のユカリちゃんとはバレーボールや人形遊びをよくする大の仲良しでした。そのユカリちゃんから、『いっちゃん、息臭い』と言われたのです。

ショックでした・・・

本当にショックでした・・・。

 一度でなく何度も言われて私は歯磨きをするようになったのかもしれません。


 また同じ頃、学校では耳垢が溜まっていると注意の紙をよく貰っていました。同級生の手前、本当に恥ずかしくて情けなかったです。